チャイルドラインとは
1.18歳までの子どもがかける専用電話です
1970年年代の北欧で、子どもをサポートするためのホットラインが誕生しました。その後世界に広がっていき、1986年、虐待が社会問題化するイギリスでもチャイルドラインが始まりました。日本においては、イギリスチャイルドラインをお手本に活動が始まりました。世界的には、「チャイルドヘルプライン」といっています。現在では、145カ国で192のチャイルドヘルプラインが活動し、チャイルドヘルプライン・インターナショナル(CHI、事務局はオランダ・アムステルダム)が世界をつないでいます。
日本のチャイルドラインは、いじめが社会問題化する中で、世田谷区の市民がイギリスで行われているチャイルドラインの存在を知り、視察したことがきっかけでした。その後1998年、「せたがやチャイルドライン」が誕生し、2週間の期間限定としてチャイルドラインが開設されました。
このチャイルドラインの活動を全国に広めていくために、1999年に「チャイルドライン支援センター」が立ち上がりました。2006年には「チャイルドライン」の名称が商標登録され、現在は41都道府県で70の団体がチャイルドラインの活動をしています。(2016年10月1日現在)
2.運営はすべてボランティア
運営はすべてボランティアで、運営費用は寄付や会費で賄われています。
子どもたちの声を聴こうと研修を受けた人たちが、決まった日に、決められた場所に集い活動しています。
子どもの声を聴くチャイルドラインにふさわしい「受け手」を確保するために、受け手のための研修を行っています。また、「受け手」がいつでも安心して電話を受けることができるように、傍らでサポートする「支え手」の研修も行っています。
できるだけ全ての子どもたちの手に渡るように、チャイルドラインのカード配布やポスター掲示などの広報活動をしています。
チャイルドラインの社会的認知を得ていく活動や、届いた子どもの声や、子どもたちの直面している諸問題について活動報告会や講演会の開催などを通じて地域社会に伝え、子どもの育つ環境改善に努めています。
3.子どもに主導権があります
電話の主導権は、かけ手である子どもにあります。イヤだったら子どもは途中で電話を切ることもできます。また、子どもは電話の中で沈黙してしまうということもあります。「いつでもきいているから、話したい時に話してね」というメッセージを送りながら待ちます。子どもが主体となることで、子どもが安心して話せるように手助けをします。
私たち大人は子どもが望む望まないにかかわらず、ついつい助言をしがちです。チャイルドラインは問題解決のための「具体的な助言」や「アドバイス」をすることが本来の目的ではありません。「相談」ごとがなくても、子どもは電話をかけることができます。子どもは「ただ聴いて欲しい」「ちょっと喋ってみたい」「ほんのささいなことを言ってみたい」のかもしれません。その気持ちに寄り添いたいと思って活動しています。
また、子どもたちに安心して電話かけてもらえるよう「子どもとの4つのやくそく」があります。「知らない人だからこそ、話ができる。知らない相手から話を聴く。」という関係性を大切に「匿名」で電話をかけることができます。子どもに主導権がありますので、「話を聴いてもらえないな」など居心地の悪さを感じたり、話がまとまらず言葉に詰まってしまうような「切りたいときは切っていい」など、私たち大人が守ることを子どもたちに約束しています。
4.チャイルドライン支援センターについて
チャイルドライン支援センターは、全国各地にこのチャイルドラインが広がっていくことを応援し、支援していく組織です。チャイルドラインの活動をマスコミなどを通じて社会に知らせ、子どもたちに「こんな電話があるんだよ」「こんな居場所があるんだよ」ということを知らせています。そして、各地でチャイルドラインを実施している団体、準備している人たちを支援し、研修を行い、必要な情報を収集し発信すること。全国のチャイルドラインのネットワークをつくり、さらにチャイルドライン周辺の様々な子どもたちのための活動をするおとなたちのネットワークを形成するお手伝いをしながら、子どもたちの住みやすい場所をつくっていくことを目的としています。